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新興国債券:警戒的楽観姿勢で投資

2019年4月 - 2 min レポートを読む

2019年第1四半期、地政学的ニュースのヘッドラインが注目を集め、コモディティ価格が上昇する中、新興国債券アセットクラスの中ではハードカレンシー建て債券が最も高いリターンを記録しました。新興国債券市場には引続きリスクも残存するものの、主立った逆風は今や追い風へと変化しています。

ハイライト

ハードカレンシー建て債券は堅調な滑り出し: 2019年第1四半期、新興国債券の各アセットクラスは健全なリターンを記録しました。米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派姿勢への転換に伴い、米国国債利回りが年初来27bps低下し2017年12月の水準まで戻したことから、ハードカレンシー建て債券が+7.0%、社債が+5.2%と最も高いリターンを記録しました。インフレ率の低下や経済成長の鈍化、中央銀行の金融緩和的な姿勢などの要因から、現地通貨建て債券のリターンは+2.9%となりました。新興国通貨は期初堅調な滑り出しとなりましたが、アルゼンチンやトルコの固有イベントや欧州における経済成長予測の下方修正などにより3月に軟調となりました。米中貿易交渉に関するニュースは途切れることがありませんでしたが、両国の間には依然大きな隔たりがあるようです1

選挙がボラティリティ要因に:ベネズエラにおける政治・人道的な混乱の悪化など、新興国市場の地政学的イベントや選挙によりボラティリティが幾分上昇しました。選挙はトルコやウクライナ、エルサルバドルで終了し、今後は南アフリカやインドネシア、イスラエルで予定されています。ブラジルでは、ボルソナーロ大統領が野心的な年金改革法案を議会に提出しましたが、法案成立には長いプロセスが予想され、政治的なノイズが高まっています。

金融コンディションは緩和的に:今四半期、FRBは政策金利を据え置き、利上げを急ぐことなくFF金利を2.25%~2.50%に維持する方針を示すと同時に、経済成長が2018年第4四半期の堅調なペースから減速している可能性があるとの警鐘を鳴らしました。中国においても、経済成長を後押しするよう金融緩和的な政策がとられました。今四半期、ブレント原油が27%、CRB指数が8%上昇するなど、コモディティ価格は急騰しました1

見通し

新興国債券全般のバリュエーションはファンダメンタルズ対比で相対的に魅力的であるとみています。通常、中央銀行がハト派的な政策を取る時期や経済成長が好調な時期には、新興国債券市場は堅調に推移します。しかしながら、米中貿易交渉の進展や金利動向、各国の選挙、為替変動などリスク要因も根強く残っています。

  • 投資機会はどこにあるか:ベアリングスでは新興国債券全般に対して建設的な見通しを維持しています。中でも、金利低下や健全な経済成長の恩恵が期待される現在の環境下では、ハードカレンシー建て債券が最も魅力的であると考えています。現地通貨建て債券の利回りも引き続き魅力的な水準にあるとみていますが、特に支援要因に乏しい通貨に関しては、選別色を強める必要があります。
  • 主要リスクを引き続き注視:米国の対中貿易赤字が拡大を続ける中、米国の貿易政策と、当該政策がグローバル貿易にもたらし得る影響が引き続き年内の主要なリスクになると考えます。新興諸国は自国通貨を、ショックの緩衝剤や、景気浮揚を目的としたグローバルな輸出競争力の強化手段として利用する場合があるため、投資家は通貨選別に留意する必要があります。
  • 引き続き選別が重要:新興国市場の状況は2018年以降著しく改善しており、現在では一部楽観的となれる材料も多くあります。一方で、注意深い銘柄選択やアクティブ運用、リスク軽減策の実践が引き続き重要と考えます。

 

新興国vs先進国 成長率とインフレ率21. 出所: J.P. Morgan 2019年3月29日現在
2. 出所:国際通貨基金(IMF) World Economic Outlook Database 2019年4月現在
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