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ストラクチャード・クレジット:AAAトランシェの価格上昇を受け、スプレッドが縮小

2019年7月 - 2 min レポートを読む

スプレッド縮小に加え、シンジケーションを通じてマネジャーがAAAトランシェを有利な条件で発行する動きが拡がり、CLOは第2四半期に再度投資家の注目を集めました。

ハイライト

モメンタムはポジティブ:CLO市場は第2四半期、スプレッドの縮小を受けプラスのリターンを記録しました。 新規発行の米国AAAトランシェのスプレッドは、140bps台半ばで始まり、130bps台前半で四半期を終えました。同様に、BBBトランシェのスプレッドは、390bps台で始まり、およそ375bpsで期末を迎えました。CLOIE指数のパフォーマンスは、第1四半期の2.24%に続き、第2四半期は1.32%となりました。月次収益率は、それぞれ0.52%、0.57%および0.22%とそれほど高い水準ではないものの安定的に推移しました。

AAAトランシェはシンジケート案件へ:最近のAAAトランシェのスプレッド縮小に関して興味深い側面の1つは、これまで市場の最大の買い手であった日本の銀行の助けを借りずにスプレッドが縮小したという点です。日本の銀行は過去数四半期に亘り、AAAトランシェのプライシングの主導権を握っていました。2019年上半期に日本の銀行が市場から撤退すると、それまで単一の購入者にAAAトランシェを売却していたマネジャーは複数の投資家に対して当該トランシェの売却を行い、結果として、よりタイトなスプレッド水準(3-5bps)において売却を実施しました。

金利は先々低下基調へ:米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測がCLO市場にも影響を及ぼしており、フォワードLIBORカーブのフラットニングと債券利回りの低下が進んでいます。例えば、第2四半期の期初、ベアリングスはAAA 格CLOをディスカウント・マージン142bps(利回り3.73%)で購入しました。6月には、類似クオリティのAAA格CLOを同136bps(同3.24%)で購入しました(いずれも価格はパー)。その期間中、3ヶ月LIBORは2.59%から2.35%に低下しました。現在のフォワード・カーブは、今年末のLIBORが現在よりもさらに低い2.00%程度となり、金利低下基調が継続する可能性を示唆しています。

担保資産のクオリティは向上:CLOの担保資産のクオリティは過去1年に亘り改善傾向を辿っています。WARF(加重平均格付け係数)やWAS(加重平均スプレッド)、CCCエクスポージャーなどの主要クオリティ係数は全て改善傾向にあります。 原資産ローンの平均デフォルト率も、広範なローン市場の長期デフォルト率(1.3%)に対し、0.19%と依然低い水準にとどまっています。

見通し

  • 2019年後半には、AAA格CLOのスプレッド縮小傾向が継続するなか、2016年および2017年ビンテージのノンコール期間終了に伴いCLOのリセット案件が増加するとみられるほか、借り換えの増加も見込まれます。
  • 当四半期中の3ヶ月LIBORの低下を受け、発行済みCLOの大半が7月にクーポンをリセットするものとみられます。これは、CLO投資家が第3四半期に手にする利子収入が減少することを意味しています。
  • 2018年末のFRBのハト派転換を受け、リテール向けの変動利付バンクローン・ファンドからの資金流出が増加しました。このようなセンチメントおよび需要のシフトは今年5月までCLO市場に打撃を及ぼしました。年初にスプレッド縮小が進まなかったことから大幅に割安感が強まり、5月のアウトパフォーマンスにつながりました。2019年後半にかけ金利が低下基調を辿るに伴いCLO需要は高まってくるものと予想しています。
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