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投資適格社債:ファンダメンタルズは安定ながら綻びも見られる

2019年10月 - 3 min レポートを読む

2019年第3四半期の投資適格社債のファンダメンタルズは、センチメントの悪化やマクロの不確実性にもかかわらず相対的に堅調を維持しました。スプレッド水準は変わらずとなりましたが、年末に向けては拡大する可能性があります。

ハイライト

センチメントとスプレッドは異なるストーリーを示唆
投資適格社債のスプレッドは第3四半期、国債対比+115bpsで始まり、中旬に市場のボラティリティが増大したことから+124bpsに拡大したものの、+115bpsで当四半期末を迎えました。当四半期のブルームバーグ・バークレイズ米国コーポレート指数のトータル・リターンは3.05%となりましたが、金利の急低下により超過収益は0.04%と低位にとどまりました。米連邦準備制度理事会(FRB)が7月および9月に実施した利下げを受けポジティブなセンチメントが薄れる中、スプレッドは一時的にレンジ内での推移となりましたが、マクロの不確実性の増大や一段のボラティリティ上昇の可能性を背景に、スプレッドは短期的に拡大する余地があります。

米国の投資家がクレジット・サイクルの終焉に関する懸念を強めるに伴い、経済動向が引き続き彼らの最大の関心事となっています。緩和的な姿勢を示す中央銀行や堅調なテクニカル指標など一部には明るい兆候がみられる一方で、経済成長に対する懸念や景気後退の可能性などが根強く残っています。スプレッドはこれまで過去の平均レンジ内にとどまっていますが、年末にかけて大幅に縮小することは見込みづらく、むしろ過去の平均レンジ内で拡大する可能性が高いと考えています。イールドカーブは同四半期を通じて反転または反転に近い状況となったことから、投資の際には引き続きこの点を注視する方針です。

BBB格企業はバランスシート改善に注力
第4四半期に入り、センチメントが悪化しボラティリティが増大する中、ファンダメンタルズには概ね安定傾向ながら、わずかに悪化の兆候が見られています。第3四半期の初めには、負債発行額の伸び(前年比5.6%)がEBITDA伸び率(同3.4%)を上回り、レバレッジは金融危機後の最高水準となりました1。同時にインタレスト・カバレッジ・レシオは9.7倍と、現在金融危機後の最低水準に近づいています2

クレジット・サイクルが終盤に差し掛かるにつれ、投資適格市場においては一般的に、最も格付けの低い企業がより厳しい監視の対象となる傾向があります。しかしながら、現在の環境においては、BBB格発行体はA格発行体に比べバランスシート改善に注力し、並行して高いEBITDAの成長を実現しています。さらに、BBB格発行体はこうした変化を、負債発行伸び率を4.3%(A格の発行体は8.2%)に抑え、株主配当を1%削減(A格は23%増加)することで実現してきました。この結果、BBB格発行体のクレジット指標の悪化ペースはA格発行体に比べ緩やかとなっています。バランスシート改善に向けたBBB格企業の取り組みは目先、ハイイールドへの格下げリスク軽減に寄与するものと考えます。

見通し

  • 不安定なマクロ状況やボラティリティ増大の可能性を考慮すると、スプレッドが今後長期に亘りレンジ内にとどまることは考えづらく、年末にかけて拡大する余地があると考えます。
  • グローバルの投資適格社債市場の約30%でマイナスの利回りが生じています3。このため、米ドル建て社債に対するグローバル投資家の旺盛な需要が継続するものとみています。この点は長期的にみるとテクニカル面でポジティブな材料になると見込まれ、2019年以降のスプレッドにとって幸先の良い状況を生み出しています。
  • 投資家が金利の上昇・低下局面を含め金利ボラティリティが増大する期間を乗り切るに当たっては、マルチクレジット戦略またはオポチュニスティック戦略が有効であると私達は考えます。従来の社債や国債と異なり、ベンチマークに囚われないこれらの戦略がもたらす柔軟性や分散といったメリットが、より魅力的なリスク調整後リターンの実現につながる可能性があります。ベアリングスでは現在、投資適格CLOや一部の資産担保証券など証券化商品に投資価値を見出しています。

1. 出所: J.P. Morgan 2019年6月30日現在
2. 出所: J.P. Morgan 2019年4月1日~6月30日
3. 出所: Bloomberg 2019年8月31日現在

投資適格社債のスプレッドは5年平均を下回る水準に出所: BLOOMBERG BARCLAYS 2019年9月30日現在

投資適格企業の財務状況出所: J.P. MORGAN 2019年6月30日現在

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