2025年6月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
2025年6月は、中国が景気回復局面から景気後退局面へと悪化しました。5月に米中は互いの関税率を引き下げ、一部を90日間停止することに合意し、市場に一定の安心感をもたらしました。ただその後は中国のレアアース規制や米国の半導体規制などを巡り、通商協議が続いていますが、延長期限までに両者が歩み寄れるのか、不透明感は晴れません。その不透明感ゆえに、中国の財新製造業PMIが好不況の境目となる50を割り込んで低下したことが、今回の局面判断の悪化につながりました。その他の国では、ユーロ圏が欧州経済研究センター(ZEW)期待指数の持ち直しを受け景気回復局面から景気拡大局面へと改善、日本でも製造業PMIや消費者信頼感指数の小幅改善により景気後退局面から景気減速局面へとわずかに改善しました。