JA 日本 機関投資家のお客様
債券

ハイイールド: 相対価値に基づく投資機会を選別

2019年10月 - 3 min レポートを読む

市場全体の不確実性が高まっているにもかかわらず、2019年第3四半期のハイイールド市場は全般にプラスのリターンをもたらしました。長期間におよぶクレジット・サイクルの終盤を進むにつれ、投資対象を選別する重要性が高まっています。

ハイライト

パフォーマンスはポジティブだが、ボラティリティは残存
地政学的なニュースが山積する中、ハイイールド市場は第3四半期に概ねプラスのリターンをもたらし、アセットクラス全体として年初来以降の堅調地合いを維持しています。主要なサブ・アセットクラスの第3四半期のリターンは、米国および欧州のハイイールド債券が各々1.03%、0.92%、米国および欧州のバンクローンが各々0.92%、1.09%と比較的近似した水準となりました。

年初来ベースでは、主要中央銀行が次第にハト派姿勢を強めるなか固定利付のアセットクラスへの資金流入が継続し、ハイイールド債がバンクローンをアウトパフォームしています。しかし、優先担保付ローンの年初来リターンも堅調を維持しています。これは、新たに組成されるCLOからの需要増大が、米国のリテール投資家からの需要減少を相殺しているためです。2019年を通じて、ハイイールド債券がバンクローンよりも選好されており、両者の利回り格差が縮小しています。ハイイールド債券とバンクローンの利回りが現在同等の水準にあることから、市場で起こってきた事とはやや逆行した見方となるものの、欧州に比べ経済がわずかに強い米国において特に、バンクローンの投資魅力が高まっていると私達は考えています。

銘柄選択が「カギ」
ハイイールド発行体のファンダメンタルズは全般に引き続き安定しており、世界金融危機以前の数年間と比べると、市場には規律が存在しているように思われます。ここ数年の力強い経済成長の結果、企業収益は全体として堅調に推移しており、レバレッジ水準も概ね安定しています。また、過去10年間の資金調達コストの低下もあり、インタレスト・カバレッジ・レシオも比較的健全な水準にあります。

ハイイールド投資家にとって最大の潜在的リスクであるデフォルトは、過去の長期平均値をわずかに下回る水準にあり、短期的に大幅な増加は見込まれていません。とはいえ、例えばブレグジット交渉、世界的な貿易摩擦、商品価格の動向など様々なリスクが依然として残っていることにも留意が必要です。経済成長の鈍化や景気後退の可能性に対する懸念も、投資家の多くにとって最大の関心事となっています。これらのリスク要因の狭間で投資判断のタイミングを図るのではなく、厳格なボトムアップ・アプローチを通じて、短期的なボラティリティに耐えクレジット・サイクルを通じて堅調に推移し得る投資対象を選別することが重要であると私達は考えます。

人気を集めた高格付け銘柄
ハイイールド市場は歴史的に、様々なテクニカル要因やリスクの発生により、市場のある部分がその他の部分をアウトパフォーム、あるいはアンダーパフォームする、所謂「一時的なディスロケーション(転位)」と呼ばれる期間に見舞われてきました。例えば、2018年末に市場のボラティリティが上昇し景気動向を巡る不透明感が強まった時期には、高格付け銘柄への需要が増加し、当該セグメントが2019年初来アウトパフォームしています。しかし、第3四半期末には、ハイイールド債券市場においてB格銘柄がBB格銘柄をアウトパフォームする動きが見られ始めています。こうした動きは、トレンドとして認識するには時期尚早かもしれませんが、企業の財務状況が全般的に健全を維持し、投資家が再度利回り追求に目を向け始めていることを考慮すると、全く驚くには値しません。

見通し

  • ハイイールド市場はファンダメンタルズの観点からは比較的安定していますが、行く手には、市場のボラティリティ上昇要因となり得る世界的なマクロ経済リスクが多数存在しています。
  • 潜在的なリスク要因の狭間で投資判断のタイミングを図るのではなく、ハイイールド資産に対してはサイクルを通じた戦略的な投資アプローチを取ることが投資家に資するものと私達は考えます。そのアプローチには、グローバル市場においてその時々に捕捉される相対価値に基づき、戦術的に資産を配分する柔軟性が求められます。
  • 米欧のハイイールド債券やバンクローンなど伝統的なハイイールド市場においても私達は引き続き投資価値を見出していますが、ディストレスト債、CLO、新興国社債など非伝統的な分野においても追加的な付加価値を追求できる投資機会を特定すべく、これらアセットクラスに注目しています。

主要4資産のプラス・リターンが継続**2019年1月1日~9月30日までの累積リターン
出所: BARINGS、ICE BAML U.S NON-FINANCIAL HIGH YIELD CONSTRAINED(米国ハイイールド債券)、ICE BAML EUROPEAN CURRENCY NON-FINANCIAL HIGH YIELD CONSTRAINED(欧州ハイイールド債券)、CREDIT SUISSE LEVERAGED LOAN INDEX(米国ローン)、CREDIT SUISSE WESTERN EUROPEAN LEVERAGED LOAN INDEX(欧州ローン)。2019年9月30日現在。欧州ハイイールド債券および欧州ローンは除く米国、ユーロヘッジ。

X

当社のウェブサイトBarings.comをご利用いただくことにより、(1)当社がお客様のデバイスに特定のクッキーを配置したり、利用規約およびウェブサイトのプライバシーに関する通知に記載されているその他のオンライン追跡メカニズムを使用することができること、(2) お客様が当該利用規約に了承したことにご同意していただけたものと致します。