欧州商業用不動産:強固なファンダメンタルズを覆すマクロ経済の不確実性
欧州は今年、様々な地政学的危機を乗り越えてきたものの、期待された不動産投資の回復は停滞しています。不動産価格も横ばい状態が続いているため、新たな不動産サイクルの初期段階に参入する機会は先延ばしとなっています。
要旨
経済
- 欧州の成長見通しは依然として軟調であり、長期的な財政懸念が高まっています。
- 米国政策に対する不確実性は引き続きグローバル貿易の阻害要因となり、投資活動は抑制されると予想されます。
- インフレは通常に戻り、2025年中に追加利下げの可能性もあります。
不動産市場
- 堅調なファンダメンタルズや魅力のある利回り、貸し手のセンチメント改善にもかかわらず、地政学的リスクの高まりにより不動産投資の回復は2026年にずれ込むと見込まれます。
- 不確実性により、商業用不動産への有利な参入機会の見極めが難しくなっています。
- 資本配分をめぐる競争は激化しているものの、欧州不動産デット市場は、不動産取引額が低調なことから引き続きリファイナンス中心となっています。
- 景気の低迷にも拘らず、プライム賃料の堅調な伸びは、主要4つの不動産サブセクター全体において広範に確認されます。
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