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投資適格社債:不確実な環境下、市場動向の注視を継続

2019年7月 - 2 min レポートを読む

健全な企業ファンダメンタルズやFRBのハト派転換にもかかわらず、ネガティブなマクロ関連ニュースを受け投資適格社債のスプレッドは第2四半期に拡大しました。

ハイライト

グローバルの緊張関係がスプレッドの変動要因に:第2四半期、投資適格社債のスプレッドは国債対比+119bpsで始まり、6月上旬に+130bpsの四半期高値を付けた後、+115bpsで同四半期末を迎えました。最近のスプレッド動向は、四半期末にかけては小動きとなりましたが、企業ファンダメンタルズよりもマクロ要因に左右される慎重なクレジット投資家のセンチメントを反映しているものとみられます。投資家の関心は、ハト派に転換しつつある米連邦準備制度理事会(FRB)の動向から離れ、軟調な経済指標に加え、米中貿易戦争や対メキシコ関税問題、イランとの緊張の高まりなどネガティブなニュースが直近数週間、社債スプレッドのカタリストとなりました。ブルームバーグ・バークレイズ米国コーポレイト指数の同四半期におけるトータル・リターンは4.48%となりましたが、金利低下により安全資産である米国国債に資金がシフトしたため、超過収益は1.04%と低位にとどまりました。格付け別では、BBB格社債がアウトパフォームし、+1.38%の超過収益を獲得しました。セクター別では、トータル・リターンおよび超過収益双方において、資本財セクターが公益事業セクターおよび金融セクターをアウトパフォームしました。

投資家の多くは依然として保守的:第1四半期に「パウエル・ピボット(方向転換)」と造語されたように、パウエルFRB議長によるハト派的な発言が続いたため、グローバルの投資適格投資家にはポジティブなセンチメントがもたらされました。しかし、そうした期間は短命に終わり、数多くのマクロ・イベントにより不確実性が高まる中、投資家は再び保守的となりました。FRBが現状維持もしくは利下げに向かう環境は、投資家のリスク資産選好を強め投資適格社債には追い風となるのが一般的です。しかし、米国国債利回りが低下するなか、イールドカーブが依然としてフラットニングしており、社債スプレッドを拡大させるテクニカル要因となっています。 逆イールドカーブが今後の景気後退を示唆しているかどうかについては引き続き注視する必要がありますが、これは「炭鉱のカナリア(何らかの危険が迫っていることを知らせる前兆)」の1つに過ぎず、他にも注視すべきシグナルが数多くあると考えます。そのため、引き続き、投資対象セクター内でのボトムアップによる銘柄選択に注力します。

見通し

  •  第3四半期に向け、マクロおよび地政学面での不確実性が数多く存在することを考慮すると、スプレッドは縮小ではなく、むしろ拡大する可能性が高いと考えます。
  • FRBが直近「金融政策の現状維持」を決定したことで、パウエルFRB議長と利下げを要求するトランプ米大統領の間の緊張が増しています。利下げが行われれば、良くも悪くも、非常に長期に亘り景気サイクルの4つの局面を通過してきた経済に燃料を注入することになると考えます。
  • 投資適格企業がバランスシート改善に注力する動きを強めているため、2019年のM&A活動は大幅に減速しています。こうした動きを受け、将来の格下げの大半は、市場がかつてトップラインのリスクとして捉えていた幅広い業界の非投資適格への転落ではなく、個別企業要因によるものになってくると考えます。
  • 第3四半期に向けても不確実性の高い市場環境が継続するとみられることから、引き続き規律あるファンダメンタル・アプローチに注力する方針です。

米国投資適格社債(1年物)スプレッド出所:Barclays 2019年6月末現在

2019年第2四半期の投資適格社債リターン出所:Barclays 2019年6月末現在

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