不動産

欧州不動産: 暗黒から、新たな夜明けとなるか?

2023年1月 – 8 分 レポートを読む

今後1年間は、不動産サイクルの谷となる可能性があり、今後数年間の投資パフォーマンスの向上につながると思われます。ベアリングス不動産リサーチ・チームが解説します。

経済
  • 消費者物価指数に緩和の兆しが見られます。購買担当者景気指数(PMI)は改善しているものの、景気減速が続いています。
  • 欧州中央銀行(ECB)の更なる引き締めが予想され、利上げが進行中であることから、見通しに対するリスクは依然として高止まりしています。
  • インフレに対するECBの対応は、不動産の信用フロー(=借り換えリスク)や取引量に影響を与え、2023年の不動産利回り水準にも影響が及ぶと見られます。
不動産市場
  • REIT価格の下落やプライム利回りの変化は、いずれも15-20%の価格調整を示唆しています。この状況は、今年も不動産評価や不動産インデックスの低調なパフォーマンスに反映されると思料されます。
  • これまでのところ、悪影響を受けたセクターは長期的なファンダメンタルズとは無関係であり、むしろ金利デュレーションの影響によるものです。
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)への圧力が強まっており、不動産デットのローン・トゥ・バリュー(LTV)は低下傾向にあります。ノンバンクの資金源には、特にリファイナンスにおいて、大きな投資機会が存在します。
  • 景気減速は賃貸事業と短期的な賃料成長率に影響を与えると思われるものの、経済が耐性を示せば、この影響は軽微にとどまる可能性があります。
  • 不動産価格のダウンサイド・リスクは、借り換えの際の銀行資本の不足、地政学、中央銀行の裁量、不動産比率による「分母効果」、景気(および賃貸の)減速の深さと期間に集中しています。
  • 今後1年間は、不動産サイクルの谷となる可能性があります。これは、今後数年間の投資パフォーマンスの向上につながると思料されます。

レポート全てを読む

PDFを見る

Paul Stewart(ポール・スチュワート)

欧州・アジアパシフィック不動産リサーチ&戦略責任者

Joanne Warren(ジョアン・ウォーレン)

ディレクター

Benjamin Thatcher(ベンジャミン・サッチャー)

アソシエイト・ディレクター

当資料は、ベアリングス・グループが作成した資料をベアリングス・ジャパン株式会社(金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第396号、一般社団法人日本投資顧問業協会会員、一般社団法人投資信託協会会員)が翻訳したもの、または、ベアリングス・ジャパン株式会社が作成した資料で、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは勧誘または販売を目的としたものではありません。翻訳、または、資料作成には正確性を期していますが、必ずしもその完全性を担保するものではありません。また、翻訳については原文と翻訳の間に齟齬が生じる場合がありますが、その場合には原文が優先されます。当資料は、信頼できる情報源から得た情報等に基づき作成されていますが、内容の正確性あるいは完全性を保証するものではありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前通知なくこれらが変更、または、修正される場合があります。

関連コンテンツ