欧州商業用不動産:不確実性がもたらす投資機会
欧州不動産市場は、中東での紛争を背景にインフレ懸念が再燃したことなどから、回復の遅れが見られています。一方で、欧州中央銀行(ECB)による今後の政策金利の引き上げは、今回については比較的緩やかなペースにとどまる可能性が高いと見込まれます。このような環境下においても、市場は底堅く推移しており、開発活動の減少が続くなか、近代的な物件の慢性的な不足は、今後さらに深刻化する見通しです。
要旨
経済
- イランにおける紛争は見通しの不確実性を高めており、最終的な影響は、紛争の継続期間に左右されると見られます。
- エネルギー価格の上昇を背景に、3月のインフレ率は押し上げられ、足元では追加的な利上げが2回織り込まれています。
- ECBは、成長鈍化と物価上昇の双方に配慮しながら、慎重な政策運営を迫られる状況にあります。
不動産市場
- 商業用不動産セクターは回復途上にあるものの、賃料は上昇しており、イールドスプレッドも適切な水準を維持していることから、大幅な価格変動は想定していません。
- マクロ環境の見通しは不透明であるものの、近代的物件の不足や開発パイプラインの鈍化、賃料の上昇などを背景に、商業用不動産セクターは一定の底堅さを維持しています。
- 不確実性の再燃により取引量の回復ペースは鈍化する可能性がある一方で、魅力的な価格での取得機会は長期化すると考えられます。
- 現在の環境は、構造的な投資の重要性を改めて示しており、特にインフレ耐性を求める投資家にとっては、人口動態やテクノロジー、ESGといった長期的トレンドとの整合性が重要となります。
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