ベアリングスの「5つのインサイト 2026年春」
ベアリングスの「5つのインサイト 2026年春」について、先進国ソブリン債券チームの溜 学(たまる まなぶ)が解説します。
- 中銀はインフレ抑制に苦心:金利の落ち着きどころは不透明
- 財政支出はインフレを加速:リスクプレミアムの拡大余地
- 資源価格上昇に強い国を選好:物価安定が財政余力を創出
- スタグフレーションへの備え:物価連動債のインフレ耐久性
- 資源生産国の通貨に注目:交易条件の改善は通貨高に直結
はじめに:供給ショックが再び市場の前提を揺さぶるイラン情勢を契機とした地政学リスクの高まりは、エネルギーや資源を中心とする供給網に再び緊張をもたらしています。2022年のロシア侵攻時と同様に、今回のショックも単なる一時的な価格変動にとどまらず、供給網や設備投資の修復を伴うことで長期化する可能性が高いと見ています。その結果、各国では物価上昇圧力が再び意識される一方、消費や企業投資のマインドは冷え込みやすく、インフレと成長の両立が一段と難しい局面に入りつつあります。
このような環境下、中央銀行は金利操作を通じた需要抑制によるインフレ対応を重視する一方、政府は物価高対策や防衛費増大への対応として財政拡張を選好する傾向を強めています。金融と財政のスタンスの不一致は、金利・為替・クレジット市場の変動性を高める要因となり、同時に投資機会を生み出す土壌ともなります。
2026年春のベアリングスの5つのインサイトでは、こうした供給ショック主導のマクロ環境を前提に、グローバル債券および通貨投資において有効と考える戦略の5つの柱をお示しします。