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Abstract composition of multicolor dots shown at different levels of clarity.
パブリック債券

CLO:質および流動性を選好する

2025年4月 – 4 分 レポートを読む

足元の投資環境は不確実性が高いことから、質および流動性の両面を注視する必要性があり、ボラティリティが上昇する局面においては価値のある投資機会が見出される可能性がありますが、慎重なマネジャーおよび銘柄の選択は重要となります。

2025年初堅調に推移したローン担保証券(CLO)は、トランプ米政権の関税措置の発表に伴うボラティリティの上昇から甚大な影響を受けました。発表直後、経済成長、インフレ率、および信頼感に対する潜在的な影響が懸念される中、CLOのスプレッドは資本構造全体で拡大し、プライマリー市場は停止しました。同時に、流通市場では売り圧力が強まり、市場参加者が更なるボラティリティを予想して資金を確保しようとしたことから、上場投資信託(ETF)からの流出が拡大しました。

その後、相互関税の上乗せ分について90日間停止するとの発表を受けて、センチメントは改善したものの、不確実性は依然として高く、市場はホワイトハウスから発信される政策ニュースに引き続き反応すると思われます。このような環境下においては、テクニカル要因がファンダメンタルズを圧倒する傾向があり、確固たる見解を導き出すことは困難です。一般的に、質および流動性を選好する姿勢は投資家に対して恩恵をもたらすと思われます。一方、ボラティリティは時として投資機会をもたらす可能性があり、今後、魅力的なエントリーポイントが浮上する可能性もあると見ています。

ファンダメンタルズとテクニカル

ファンダメンタルズの観点からは、関税によるボラティリティの上昇を受けて、クレジットに対する不安とデフォルトリスクが焦点となっています。クレジットの観点においては、トランプ米大統領の関税措置の影響度合い全体を判断するのは時期尚早だと思われます。ポジティブな面として、多くの発行体が近年、バランスシートの強化措置を講じてきたため、ローンのファンダメンタルズは非常に健全な水準となっています。また、米国ローンのデフォルト率は大きく上昇しておらず、今年も2%から3%の水準を超えることはないと見ています。関税の影響を直接受けるセクターに所属する発行体に対しては懸念が残りますが、その影響は個別発行体毎に異なると思われます。

第二の懸念として、CLOポートフォリオにおけるCCC銘柄の割合が問題視されており、その割合が今後増加する可能性が指摘されています。しかしながら、数多くのマネジャーは近年、CCC銘柄に対する配分をより保守的に管理してきたことから、市場において大きな問題を引き起こすには至らないと見ています。CLOが過去のボラティリティおよびストレス期間を比較的うまく乗り切ってきたことも注目に値します。CLOの構造は特に堅牢で、投資家の資本を投資期間中保護する一連の機能(具体的には劣後比率、担保価値保全テストおよび利息分配に関するテスト)を備えています。その結果、今後環境が悪化し、ファンダメンタルズがよりストレスを受ける状況においても、CLOの構造上耐え難いほどのデフォルトは発生しないと予想しています。

各トランシェにおける価値

インフレ急騰後における金利の大幅な上昇など、最悪のシナリオが実現しないと仮定した場合、今後数四半期は相場が上昇する中、機を捉えた売り手がポジションを解消する一方、相場が下落する中においては投資家が新たな資本を投入して市場の混乱を活用する機会を見極めることから、CLOはレンジ内で推移する可能性が高いと思われます。とはいえ、ボラティリティが継続する可能性を考慮した場合、当面は質および流動性を選好することが重要であると考えます。例えば、リスクの低いAAAおよびAAトランシェは、資本構造の最上位に位置し、高いキャリーが提供される可能性が高いことから、引き続き魅力があると見ています。メザニン・トランシェにおいては、ディスカウントが大きく、リスクの高いクレジットに対するエクスポージャーが限定的な、質の高い流通市場における投資機会を引き続き追求します。今後は、関税措置の影響を受けるセクターに対するエクスポージャーが少いクリーンな新規の発行案件にも注目する予定です。

CLOエクイティも依然として注目に値しますが、発行市場が価格発見段階にあることから、投資機会を見極めることは重要です。ローン価格が今後下落する場合、マネジャーが、ディスカウント水準にある流通市場において資産を購入し、早急(通常は数日以内に)にポートフォリオを構築する、「プリント・アンド・スプリント」案件が新たに増加する可能性があります。多くの場合、プリント・アンド・スプリント案件は1年という短期のノン・コール期間で組成されており、わずか1年後に案件をコールできるオプションは非常に潜在的な価値が高く、デット・トランシェのスプレッドが拡大する中で発行された案件においても、エクイティの観点から魅力的なリターンをもたらす可能性があります。

規制の改定

政策の動向にほぼ全ての注目が集まる中、今後市場に影響を与える可能性のある潜在的な規制変更が複数存在しています。バーゼルIII の改正案は、AAA トランシェのリスク・ウェイトを20%から15%に引き下げることを目指しています。米国の銀行がCLOに投資する魅力を高まるため、この改正案により、最大1,900億米ドルの新規資本が市場に流入すると一部では試算されています。同時に、全米保険監督官協会(NAIC)はCLOを含む特定の資産クラスの規制資本に関するファクターの見直しを行っており、これによりAAA、AAおよびAトランシェに対する需要が高まる可能性があります。欧州の規制当局もまたリスク・リテンション・ルールに関する順守状況を厳格に審査しており、最近発表されたガイドラインにより、最終的に欧州において新規案件を発行するマネジャーに影響を与える可能性があります。

結論

トランプ米政権が政策を次々と発表する中、特に貿易関連政策において、市場のボラティリティはさらに高まる可能性があります。このような状況下、ボラティリティの上昇によってCLOの価格が本源的な価値から乖離し、資本構造上位のトランシェにおいても、本源的な価値を大幅に下回る水準まで価格が下落する場合があります。CLOは強固な構造的保護を有し、歴史的に低いデフォルト率が実証されていることから、このようなストレス局面においては、魅力的な投資機会を生み出す可能性を秘めています。ただし、資本構造の上下を問わず、絶対的価値と相対的価値の最適な機会を特定するためには、アクティブな管理と慎重なマネジャー選定が不可欠です。同時に、不要なリスクを回避することも重要となります。

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Adrienne Butler(アドリエンヌ・バトラー)

グローバルCLO責任者

Taryn Leonard(タリン・レオナール)

ストラクチャード・クレジット投資チーム共同責任者

Melissa Ricco (メリッサ・リッコ)

ストラクチャード・クレジット投資チーム共同責任者

当資料は、ベアリングス・グループが作成した資料をベアリングス・ジャパン株式会社(金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第396号、一般社団法人日本投資顧問業協会会員、一般社団法人投資信託協会会員)が翻訳したもの、または、ベアリングス・ジャパン株式会社が作成した資料で、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは勧誘または販売を目的としたものではありません。翻訳、または、資料作成には正確性を期していますが、必ずしもその完全性を担保するものではありません。また、翻訳については原文と翻訳の間に齟齬が生じる場合がありますが、その場合には原文が優先されます。当資料は、信頼できる情報源から得た情報等に基づき作成されていますが、内容の正確性あるいは完全性を保証するものではありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前通知なくこれらが変更、または、修正される場合があります。

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