欧州不動産:回復の遅れが続く中、サイクル転換が期待される
グローバルにおける地政学的な不確実性により、今年期待されていた欧州不動産市場の回復が遅れています。しかし、マクロ経済の変動要因にもかかわらず、不動産市場のリスクは実際には低い水準にあるため、回復の停滞はむしろ新たな不動産サイクルの初期段階において広範な投資機会を提供する可能性があると考えます。
要旨
経済
- ユーロ圏経済のモメンタムは依然として不透明であり、成長率が年率1%に達する見込みは低いと思われます。
- 貿易黒字となる経済圏は、サービス・セクターや国内需要に依存する経済圏に比べ、グローバル貿易摩擦の影響を大きく受ける可能性があります。
- エネルギー価格は足元で上昇傾向にあるものの、2025年の欧州中央銀行(ECB)の追加利下げは残り2回と見込まれています。
不動産市場
- 不動産への投資資金が米国から流出しているという推測は、現時点では断片的な情報にすぎず、米ドル/ユーロの為替レートなどのデータ上に有意かつ明確に表れていません。
- ボラティリティが増大する環境下、不動産収入の地域的特性とその相対的な安定性は、今後ますます魅力的になる可能性があります。
- 近代的建物の供給不足は、開発資金と建設コストの高騰により、新規開発が制限される中でさらに深刻化すると予想されます。
- 欧州経済の鈍化にもかかわらず、最高品質の不動産における実質インフレ調整後の賃料は、今後も持続的に成長すると予想されます。