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マクロ&地政学

長期化する3つの危機

2019年1月 - 3 min レポートを読む

マクロ経済・地政学リサーチ責任者のDr. クリストファー・スマートが、1)米政府機関の閉鎖、2)貿易摩擦、3)ブレグジット、という長期化している3つの政治問題とその影響について検証します。

クリスマス後には反発がみられたものの、市場はその後停滞しており、明らかに、グローバル経済がどの程度減速するかを見極めようとしているようです。米国の設備稼働率や支出意欲を示す指標などを中心にマクロ経済のハード・データの大半は堅調を維持しています。しかし、市場のボラティリティに加え、事前の想定に反し長期化している、1)米政府機関の閉鎖、2)貿易摩擦、3)ブレグジットという3つの政治問題により、グローバルの投資家センチメントは明らかに悪化しています。

国際通貨基金(IMF)は、2019年のグローバル経済成長率予想を3.7%から3.5%に下方修正しましたが、現時点において、世界経済が2019年にリセッションに陥ると予測することは困難です。一方で、投資家の頭痛の種となっている政治問題は、改善に向かう前に一段の悪化を見る可能性があり、短期的なセンチメントと長期的な投資にリスクを投げかけています。

1. 米政府機関の閉鎖
2018年の暮れ、米国の政府機関は数日間閉鎖される可能性があるものの、トランプ大統領とナンシー・ペロシ下院議長の関心はすぐに他の事象に移り、事態は収束に向かうとの見方が大勢でした。しかし予想外にも、その後5週間に亘って争いが展開されています。政府機関の閉鎖は現在一時的に解除されていますが、国境セキュリティと移民の問題を巡る議論の解決への道筋は依然不透明です。そして、投資家にとってより重要なのは、政府機関閉鎖が経済や金融市場にどのような影響を与えるかという点です。

政府機関閉鎖は経済にどの程度悪影響を及ぼすでしょうか? 政府機関の職員にとっては、仮に閉鎖中の未払い給与が支払われたとしてもその苦痛は深刻だったと思われますが、2度目の閉鎖を防ぐことができれば経済全体への直接的な影響は限定的でしょう。一方、金融市場への悪影響はどの程度かと言えば、経済に対する直接的な影響を超えて、投資家は景気の下支えとなる法案の成立に対する一縷の望みを捨て去る必要があります。

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