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ストラクチャード・クレジット:逆風の後退がCLOのパフォーマンスをサポート

2019年4月 - 2 min レポートを読む

CLO市場は2019年第1四半期、クレジット市場を巡る懸念の後退を受け反発しました。今後も、金利の低下に伴い、投資家の当該アセットクラスに対する高い関心が継続するものと見込まれます。

ハイライト

低調なスタート:2019年の新規発行は低調なスタートを切りました。2018年第4四半期に進んだスプレッド拡大の背景を投資家が咀嚼するまでには数週間の時間を要しました。直近のボラティリティ上昇はテクニカル要因主導であるとの見方が拡がるとともに、クレジット市場を取り巻く懸念が後退し、セカンダリー市場で取引されるCLOのスプレッドは1月の最初の週に縮小し始めました。一方、新規取引の最初のプライシングが行われたのは1月終わりであり、1月単月でプライシングが行われた新規取引は10件にとどまりました。新規発行活動は2月~3月には通常の水準に戻り、2019年第1四半期の新規取引額は米国CLOが292.8億米ドル、欧州CLOが68.9億ユーロとなりました1

ターム・カーブの短期化:新規およびリセット案件として市場に供給されるCLOのうち、再投資期間の短い案件が増加しています。2015年以降に発行されたCLOの大半は、再投資期間5年、ノンコール期間2年となっています。しかし、2019年の年初来、再投資期間が2年またはそれ未満のCLOが8件発行されています(LCD Newsによればノンコール期間も縮小)。こうした動きは、AAAトランシェの需要減退によるところが大きいと思われます。CLOマネジャーは、自身の発行するAAAトランシェが再投資期間5年案件として十分にタイトなスプレッドでプライシングされない場合、よりタイトなスプレッドでの発行に向けて再投資期間の短縮化を検討し、ファンディング・コスト全体をより経済的な水準に抑制することを目指そうとするでしょう2

規制の問題: 2019年第1四半期末、日本の金融庁はローン担保証券(CLO)など証券化商品を保有する際の新たな規制を導入しました。金融庁は当該告示において、「不適切に組成されていない」、「適切に組成されている」と投資家が判断できるCLOについては、リスク・リテンション規制を遵守していない証券化資産を保有しても当該規制の対象とはならない(=リスクウェイトを3倍にする必要はない)旨の方針を発表しました。CLOのコラテラル・プールは、複数の格付機関からの格付けを有する幅広いシンジケート・ローンで構成されているため、CLOは日本の投資家にとってリスクウェイト引き上げの対象資産とはならないと考えています。この決定は、自身の発行するAAAトランシェによる資金調達を引き続き日本の金融機関に依存している米国のCLOマネジャーにとって朗報です。最近のウェルズ・ファーゴのレポートによると、日本の金融機関は、米国および欧州の既発AAAトランシェの20~25%を保有しているとされています3

CLOインデックス(金融危機後発行)のトータル・リターン(2019年 年初来)1

見通し

  • CLO市場の見通しを一言で表現するなら「不透明」です。第1四半期終盤にかけて起こった大幅な金利低下とイールドカーブ上における長短金利の逆転を受け、CLO市場の今後の方向性が注目を集めています。米国CLOのスプレッドは年初来、新規発行AAAトランシェで135~150bps程度のレンジ推移となっています。この間、3ヶ月LIBORは2.8%から2.6%に、米10年国債利回りは2.6%から2.4%に低下しました。市場参加者の多くは年初、CLOのスプレッドは2019年を通じて横ばいから拡大での推移を予想していましたが、金利が低下基調に転じていることから、CLOの提供する魅力的な利回りが投資需要増加のカタリストとなり、2019年を通じスプレッド縮小を牽引する可能性もあるとみています。

1. 出所: J.P. Morgan 2018年3月31日現在
2. 出所: LCD News 2018年3月31日現在
3. Wells Fargo. CLO Lagniappe: Ides of March Update. 2019年3月15日発行

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