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ハイイールド:センチメントの変化を受け低格付け資産が反発

2020年1月 - 3 min レポートを読む

2020年にハイイールド市場で相対価値に基づく投資機会を発掘するには、投資対象資産を拡大する必要があります。

グローバル・ハイイールド市場にとって良好な環境が続いています。リスク資産への選好が再度強まったことに加え、センチメントの改善やイールドを求める動きなどがハイイールド市場の力強いリターンにつながりました。中でも、米国および欧州ハイイールド債券がリターンを主導し、2019年通年では各々13.98%、10.74%とここ数年で最も高いリターンを記録しました1。米国および欧州のバンクローンも各々8.17%、4.38%とプラスのリターンで年末を迎えました2。相対的に健全なファンダメンタルズや、デフォルト見通しの低位安定が続く中、当該アセットクラスの足場は全般に堅牢と見受けられます。

リスクオン・マインドが再度強まったことで、2019年の大半を特徴付けた格付け間の二極化の動きは是正されつつあります。BB格資産のスプレッドが縮小している一方、低格付け資産のスプレッドは引き続き相対的に拡大した水準にあります。この点に加え、好調な経済状況、ファンダメンタルズの安定、事前予想を上回る企業決算を背景に、2019年第4四半期にはCCC格資産が選別的に反発し、この動きは2020年に入っても継続しています。エネルギー・セクターへのエクスポージャーが相対的に小さい欧州ではこうした動きがより顕著となっていましたが、米国でもこうした状況が見られ始めています。2019年第4四半期のハイイールド債券市場においては、CCC格債のパフォーマンス(5.3%)が、BB格債(1.3%)、B格債(2.1%)を大幅に上回りました3

とは言え、至るところにリスクが潜んでいます。中東情勢の緊迫化やブレグジット混迷の継続に加え、米国では11月の大統領選挙に向けて政治的な緊張を強いられる1年が待ち受けています。商品価格や貿易、金融政策、経済成長を巡る継続的な懸念は言うまでもありません。

これらの要因が今後のハイイールド市場にどのように影響するかについては現時点では判断できません。ただ、歴史に基づいて私達が言える事は、金融市場は一般的にはリスクをあまり良くは織り込まないということです。金融市場はまた、ヘッドライン・ニュースに過剰な反応を示す傾向があり、ディスロケーション(転位)やボラティリティに見舞われる時期には価格の短期的な非効率性が生み出されるケースがあります。こうした時期にはしばしば投資機会が示現する場合があります。

私達は特にバンクローン市場でこうした傾向を目にしてきました。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策がハト派傾向を強めるに伴い、リテールのバンクローン・ファンドは2019年の大半において大きな資金流出に見舞われました。この結果、ハイイールド債券とバンクローンの利回り格差がバンクローン優位にシフトし、ある意味逆張り的な投資機会が生まれました。資金流出の動きはここ数週間反転していますが、バンクローンが借り手の資本構造の上位に位置し、借り手の資産の一部または全てが担保に付いており歴史的に回収率が高いことを考えると、バンクローンはハイイールド債券に対して引き続き魅力的な利回りを提供しているものと私達は考えています。

利回りの比較
(バンクローン:3年ディスカウント利回り、ハイイールド債券:最低利回り)

出所:Credit Suisse、ICE BAML 2019年12月末現在

価格の非効率性はセクター・レベルでも存在しており、今後数ヶ月の間に追加的な投資機会として示現してくる可能性があります。例えばヘルスケア・セクターは今後数ヶ月、大統領選挙を前に不安定化する可能性が極めて高いセクターの1つです。しかし、ヘルスケアは幅広い業界であり、様々な企業が様々な製品・サービスを提供しています。市場がヘッドライン・ニュースに反応する過程で、信用力の高いクレジットの買い場が訪れる可能性は非常に高いとみています。

ハイイールド債券やバンクローンといった伝統的なアセットクラス以外では、CLOやディストレスト債、新興国社債といった分野に興味深い投資機会を複数見出しています。低成長・低金利の環境下、こうした非伝統的なアセットクラスに戦略的に投資対象を拡大することで、投資家は追加的な利回りを追求することが可能になります。

ハイイールドに関して言えば、今は「市場全体を買う」時期ではありません。思慮深さや熟考、機敏さが求められる時期です。市場は反動的で、リスクやヘッドライン・ニュースに左右され、しばしばファンダメンタルズが示唆する方向とは違う方向に動きます。市場がそのように動いた場合、結果としてもたらさられる投資機会から恩恵を享受するためには、迅速かつ効率的に動きを取れるようにしておくことが最も重要です。

1 出所:Bank of America Merrill Lynch 2019年12月末現在
2 出所:Credit Suisse 2019年12月末現在
3 出所:BAML 2019年12月末現在

Complied(東京):2020年1月28日 M20201Q17

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