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ストラクチャード・クレジット:リスクオン、リスクオフが繰り返す

2020年1月 - 2 min レポートを読む

CLO市場では、センチメントの改善と悪化が繰り返す中、安全性の高い資産への選好が継続しています。

全てのCLO(またはCLOマネジャー)が同じように造られているわけではありません。私達は経験からこの事を学んでいますが、2019年第4四半期は再度この事を想起させてくれる四半期となりました。CLO市場は10月のパニックとも言える状態から、年末にかけてはリスクオン市場とも呼ぶべき状況に一転したためです。

こうしたセンチメントのシフトはBB格CLOで顕著でした。クオリティの高い新規発行BB格CLOの対LIBORスプレッドは9月末の700bps台前半から10月には800bps台前半まで拡大しましたが、その後価格は回復し、年末には9月末の水準を上回りました。

米国BB格CLOのスプレッドは拡大した後、年末に向けて縮小

出所: JP Morgan 2019年12月末現在

同様の事象は市場のBBB格部分でも起こりました。クオリティの高いBBB格CLOのスプレッドは9月後半の380bps前後から10月に400bps台に拡大した後、年末にかけて再度縮小しました。

しかしこうした動きは、リスクオン、リスクオフという括りで説明できるほど単純ではありません。所謂リスクオンと呼ばれる期間においても、投資家は引き続き、ビンテージの古い問題含みの案件、とくにエネルギー・セクターを中心にストレス状態にあるローンに悪影響を受けている案件に対し、「クリーンな」新規発行案件(典型的には価格が80以下のストレス状態にあるローンへの投資比率が少ない案件)を強く選好しているのを私達は引き続き目にしています。市場におけるプライシングは、こうした傾向に加え、ハイクオリティと見なされるマネジャー(継続的に実績の乏しいマネジャーと比較して高価格で取引されている)を選好する投資家の動向を、如実に反映しています。

マネジャーの一部には、昨年バンクローン市場で見られたストレス状態を活用して収益をあげるために、CCC格ローンに非常に高いウェイトを配分できるCLOを発行する動きが見られました。この中には、CCC格ローンに最高でポートフォリオ資産の25%を配分できるトランシェを組成するマネジャーも見られました(より典型的なCCC格資産比率上限は7.5%)。こうした案件のエクイティ・トランシェには最終的に幾分の投資価値があるとみられますが、今よりも良い投資タイミングがこの先到来するとみています。

CLO市場の行方には様々な投資機会およびリスクがあると考えています。リスクに関しては、ストレスの兆候を見逃さないようクレジット市場の状況をモニタリングすることに加え、米国大統領選の動向を注視しています。大統領選で認識しておくべき重要なテールリスクは、過去に証券化市場を強く批判してきたエリザベス・ウォーレン上院議員が優勢となるケースです。最近の世論調査では、ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース上院議員の支持率がかなりの大差で上回っていますが、サンダース上院議員が勝利したとしても証券化市場に歓迎されることは恐らくないでしょう。2020年を通じて大統領選を巡るヘッドライン・ニュースからボラティリティが生み出されるものとみられますが、こうした時期は同時に最も魅力的な投資機会を見い出し得る時期でもあり、2020年もその例外ではありません。

投資機会としては、昨年の10月ほどではないにしても引き続き一部の資産に魅力的な買い場が訪れています。とくに、新規発行のBB格トランシェの魅力度が高いと考えています。さらに高格付けのセグメントでは、AAA格およびAA格のトランシェに、特に投資適格社債対比で投資魅力があります。このセグメントには保険会社の買いが入っており、その魅力のポイントは最近のレポートに示した通りです。最後に、2020年が経過するに伴い、テクニカル要因がもたらすセカンダリーのエクイティ・トランシェの投資機会が生じてくるものと予想しています。 

地政学的要因に注目の集まる2020年においては、リスクオン、リスクオフのサイクルが繰り返し訪れることになるでしょう。よって、年を通じて投資機会は見込まれるものの、クレジットおよびマネジャー選択が最も重要となるでしょう。

Complied(東京):2020年1月28日 M20201Q17

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