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投資適格社債:ラリーは続くのか?

2019年4月 - 2 min レポートを読む

2019年第1四半期は、BBB格社債がファンダメンタルズ悪化の初期的兆候にもかかわらず市場の回復を牽引しました。2019年に入りスプレッドが大幅に縮小する中、デュレーションの短い社債が魅力的な投資の選択肢となる可能性があります。

ハイライト

縮小に転じた投資適格社債のスプレッド:投資適格社債のスプレッドは2019年第1四半期に34bps縮小し、国債利回り+119bpsの水準となりました(出所:バークレイズ)。社債スプレッドは、2018年第4四半期に拡大した分の71%を回復しました。格付け別にみると、スプレッドが最も顕著に縮小したのは、39bps縮小したBBB格社債でした。投資適格社債のトータル・リターンは5.14%となり、国債リターン(2.73%)に対しネットゲインを獲得しました。今四半期、低格付けの投資適格社債に投資していた投資家が最も高いリターンを獲得しました。格付け別のトータル・リターンは、A格債4.70%、AAA/AA格債3.93%に対し、BBB格債は5.73%となりました。セクター別では、資本財セクターのスプレッドが32bps縮小し、5.50%と最も高いリターンを記録しました。次いで高いリターンを記録したのは金融および公益事業セクターで、各セクターのトータル・リターンおよびスプレッド縮小幅はそれぞれ4.61%(38bps)、4.57%(29bps)となりました。今四半期の投資適格社債の新規発行額は3,350億米ドルで、グロスベースの新規発行額は前年同期の水準の85%にとどまるなどやや低調となっています。

ファンダメンタルズ面では上向き基調がわずかに後退:投資適格企業のファンダメンタルズは今四半期、企業の信用力を示す指標が概ね安定(コモディティ・セクターを除くと前年比でわずかに悪化)するなか、中立傾向で始まりました。コモディティ・セクターを除く企業のEBITDA伸び率(前期比)は1.0%と2017年第1四半期以来の低水準となりました。負債関連指標の前年同期比での悪化は、公益事業セクターの不振の他、大半が発行体の意図(M&A活動など)によるもので、市場環境の影響を直接受けたものではないことに留意する必要があります。売上高は前期比1.3%増加し、名目GDP成長率をわずかに下回る水準となりました。負債伸び率は同1.2%で2010年以来の低水準となりました。利益率は金融危機後の最高水準である29%近辺に達しましたが、コモディティ・セクターを除くと、レバレッジは金融危機後の最高値である3.0倍に上昇、インタレスト・カバレッジは金融危機後の最低値である10.3倍に低下しました。BBB格の発行体のファンダメンタルズはA格の発行体よりも悪化しました。BBB格の企業は株主配当を減少させており、非投資適格への格下げを避けるための方策を採っているものとみられます。

スプレッドは2019年に拡大した分の大半を回復1

投資適格企業のファンダメンタルズ2

見通し

  • 2018年第4四半期には、米連邦準備制度理事会(FRB)の景気抑制的な金融政策や景気後退への懸念などから、社債スプレッドが拡大しました。しかし、FRBは3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でハト派的な姿勢への転換を表明しており、上述の懸念が2019年後半もしくは2020年初めまでの間に実現する可能性は低いとみています。

 

  • 現在のスプレッドはタイトな水準にあり、クレジット・サイクルの最終局面にあるとみられることから、ダウンサイド・リスクに備える必要性が高まっています。ポートフォリオにおいては、最良の投資アイデアに基づき、満期までの期間の長い社債を売却し、より利回りの高い短期債への入れ替えを進めています。

 

  • 今後、BBB格社債のファンダメンタルズ悪化を巡る議論は、投資適格社債の投資家にとって中心議題になると思われます。しかしながら、BBB格発行体のほとんどは、非投資適格への格下げ(フォーリン・エンジェル)を避けるための複数の手段を有しているため、過度の懸念は不要と考えています。

1. 出所: Barclays 2019年3月31日現在
2. 出所: J.P. Morgan 2019年3月31日現在

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