ESG:ハイイールド運用者が現在取り組む3つの課題

2021年3月 – 7 分 レポートを読む
企業の行動に対して影響力を行使することからより透明性の高いデータ開示に至るまで、ハイイールド運用者はESGに関してこれまでよりも高いレベルの要求を企業に対して求めています。

環境・社会・ガバナンス(ESG)への考え方および投資判断時における同要因の考慮(ESGインテグレーション)は常に進化しています。ESGは、株式、債券、オルタナティブ、不動産など、あらゆる市場の投資判断において間違いなく極めて重要な役割を果たしていますが、各業界や資産クラスはそれぞれ固有のニュアンスや独自の課題を抱えています。 

このような状況下にあって、ハイイールドも例外ではありません。ハイイールド市場におけるESGへの取り組みは近年飛躍的な進歩を遂げていますが、特に世界的にESGやサステナビリティへの関心が高まっていることを考慮するとさらに進展する余地があります。前向きな動きとして、投資家や運用者は、業界関係者とのコラボレーションを目的とした企業に対する集中的なエンゲージメントから革新的な分析モデルの開発まで、さまざまな方法でESGの課題に立ち向かっています。この記事においては、ハイイールド運用者が解決しようとしている3つのESGに関する課題に焦点を当て、ベアリングスがその課題に取り組む方法および業界が向かうと思われる方向についてご紹介します。

1. 株主に対する債権者として、ESGの実践において影響力を行使

ハイイールドの発行体はデフォルト・リスクが高く、ESGを含むあらゆる潜在的なリスクを考慮する必要があります。企業の安全性や労働環境からCEOの後継者計画に至るまで、どのようなリスクもネガティブなニュースを引き起こし債券やバンクローンの価格に影響を与える可能性があります。ハイイールドの投資家にとっての課題の一つは、株主ではなく債権者として、定義上は企業の株式を保有していない、あるいは、取締役会に議席をもたないことから、株主と同様に企業の行動に対して影響力を及ぼす投票が実行できないという点です。しかしながら、投資家や運用者はますます債権者としての限界に挑戦しています。例えば、多くの投資家にとって運用者がESG分析を投資プロセスの一部であると主張するだけでは十分でなく、ほとんどの場合、資本構造上における立場によらず、運用者としてどのような影響力を行使しているかについて具体的な例を求めています。 

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