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CLO:回復への道のりを見極める

2020年7月 - 2 min レポートを読む

流動性の改善および需給の正常化に伴い、第2四半期のローン担保債券(CLO)は反発しました。高格付けトランシェおよび新発のBB格トランシェを中心に投資機会が存在する一方、アクティブなポートフォリオの運営は必要不可欠であると考えます。

3月の急落および4月の軟調を経て、CLOは5月および6月に大幅に反発し、第2四半期にBBB格およびBB格はそれぞれ20.31%、36.35%上昇しました。ファンダメンタルズおよびテクニカルによる双方の要因が、斯かる反発をけん引しました。
 

JPM CLOインデックスのトランシェ別価格推移

出所: JPM CLOIE 2020年6月末現在
 

ファンダメンタルズの観点に立脚した場合、裏付け資産となるバンクローンにおける格下げペースは鈍化しています。デフォルト見通しについても、3月下旬から4月上旬にかけて懸念されていた水準まで状況が悪化していないとの認識が広まり、改善傾向にあります。一部の市場参加者においては、当初、今後12か月のデフォルト率を約10%と予測していましたが、足元では発行後ある程度期間が経過した案件において4〜7%の範囲に留まると予測しています。新規発行案件については、ストレスに晒されたクレジットへのエクスポージャーが低いことから、デフォルト率はさらに低い2〜3%程度に留まると予測されています。また、バンクローンの価格回復および格下げペースの鈍化を考慮し、カバレッジテストの違反によりCLOにおける自己補正メカニズムが広範において発動する可能性は低いとみています。 

テクニカルの観点に立脚した場合、政府の支援プログラムによって支えられた潤沢な流動性による恩恵を享受し、3月および4月においてCLOの価格に下落圧力をもたらした強制売却は、足元において落ち着きをみせています。需給についても大きく改善し、金利低下が長期継続すると思われる環境下、銀行および保険会社など多くの機関投資家が利回りを追求したことから、限定的な供給は斯かる旺盛な需要によって消化されています。一方、3月におけるボラティリティの上昇を受け、BB格トランシェが大幅に割安な価格で取引され、その潜在的なデフォルトリスクに対し魅力的なリターンを提供していたことから、新規ファンドを通じて市場の下落を利用し機を捉えたCLOの買い手が出現しています。

足元の反発にもかかわらず、ベアリングスでは困難な時期を完全に脱したとは考えていません。実際、新型コロナウイルスの感染再拡大、原油価格の下落、米大統領選挙における不確実性および第2四半期における企業業績の悪化予想など、依然多くの潜在的リスクが存在しています。一方、3月時点で予想されていた最も悲観的なシナリオが現実化する可能性は低いと考えます。ベアリングスでは、今後数四半期、CLOはレンジ内推移となる可能性が高いとみています。機を捉えた買い手が市場の上昇に乗じてポジションを売却する一方、最悪のシナリオが現実化する可能性が低いとの見方が強まったことから、市場の下落局面においては、斯かる局面を活用した投資家による新規資金の投入が行われると思われます。

前四半期と同様、ベアリングスは引き続きCLOのクオリティに着目しています。高格付け(AAA格およびAA格)トランシェにおける投資機会は依然として存在しますが、A格トランシェにおいては相対価値の観点から魅力度がわずかに低いとみています。また、特にメザニン・トランシェにおいては、発行後期間が経過した流通市場の案件と比較して、裏付資産の質が高い新規発行案件を選好しています。当該案件は、裏付資産において同ウイルスから影響を受けるセクターのエクスポージャーが少ないことに加え、低価格の資産が少なく構造的な保護に優れている傾向にあります。ベアリングスにおいては、特に新規発行案件のBB格トランシェに魅力があるとみており、斯かるトランシェは、発行後期間が経過したBBB格トランシェに類似したリスクプロファイルを有する一方、より魅力的なスプレッドを投資家に提供しています。 

同ウイルスの感染再拡大および米国大統領選挙が接近するにつれ、市場におけるボラティリティは上昇し、相対価値取引の観点において魅力的な投資機会が出現すると考えます。斯かる環境の中、資本構造全体における最良の絶対および相対価値の発掘において、アクティブなポートフォリオ運営は必要不可欠であると考えます。

1. 出所: J.P. Morgan 2020年6月末現在
 

当資料は、ベアリングスLLCが作成した資料をベアリングス・ジャパン株式会社(金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第396号、一般社団法人日本投資顧問業協会会員、一般社団法人投資信託協会会員)が翻訳したもので、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは勧誘または販売を目的としたものではありません。翻訳には正確性を期していますが、必ずしもその完全性を担保するものではなく、 原文と翻訳の間に齟齬がある場合には原文が優先されます。当資料は、信頼できる情報源から得た情報等に基づき作成されていますが、内容の正確性あるいは完全性を保証するものではありません。また、当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれらが変更されたり修正されたりすることがあります。
Complied (東京):2020年8月3日 M20203Q22

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