JA 日本
債券

CLO:クオリティへの選好

2020年10月 - 3 min レポートを読む

ローン担保債券(CLO)は第2四半期に続き第3四半期も上昇しましたが、今後ボラティリティは上昇する可能性があります。このような環境下においては、クオリティを向上させることが投資家にとって有益であると思料されます。

CLOのパフォーマンスは、予想を上回る経済指標および好調なテクニカル面に支えられ、第3四半期全般にわたり堅調に推移しました。ボラティリティは同四半期末にかけて再度上昇しましたが、同四半期のパフォーマンスはプラスとなり、AAA格、AA格およびA格のパフォーマンスはそれぞれ1.51%、3.34%、2.47%となった一方、BBB格、BB格およびB格はそれぞれ3.25%、5.14%および10.86%となりました1

テクニカル面においては、需給動向が引き続き大きなサポート要因となり、新規発行が限定的だった7月に続き、8月の新規発行がほとんど皆無であったことから、スプレッドは全トランシェにわたり大幅に縮小しました。9月に入ると、マネジャーが低い借り入れコストを利用した案件組成に着手したため、新規発行は大きく回復しました。

新規発行の増加は好調な需要に伴い、市場において比較的順調に消化されました。特にシニアAAA格トランシェにおいては、今日の長期にわたる金利低下環境下において利回りを追求する保険会社および大手機関投資家などからの需要が依然として強い状況にありました。メザニントランシェに対する需要は2極化し、発行されて期間が経過した流通市場の案件と比較し、裏付資産がクリーンかつ新型コロナウイルス(以下、同ウイルス)の影響を受けるセクターへのエクスポージャーが限定的な新規案件に対する選好が継続しました。一方、9月には、市場の変調に乗じて新ファンドを設定する形で数多くのオポチュニスティックな買い手が流通市場に参加しましたが、ボラティリティが9月後半に上昇するに伴い、その活動は一部弱まりました。
 

CLO新規発行額(月次)

出所: J.P. Morgan 2020年9月末現在


ファンダメンタルズにおいては、裏付資産となるバンクローンの格下げペースは大幅に鈍化し、市場全体の数パーセントのみが格付機関によって引き続き「ウオッチ」されている状況にあります。今後12ヶ月におけるバンクローン市場のデフォルト見通しは安定的であり、発行後ある程度期間が経過した案件においては4〜6%、新規案件においてはさらに低いと予想され、危機の最中に予想されたデフォルト率10%に対して、未だはるかに下回る水準となっています。 

バンクローンのデフォルト率増加はある程度抑制されている中、CLOの裏付資産における回収率の動向は直近数週間においてますます注目を集めています。CLOはバンクローン市場における最大の投資家ですが、他の投資家と比較し、高リスクな資本構造再編後のローンに対して投資する能力が限定的な可能性があります。同ウイルスの影響により、更に多くのバンクローンがディストレスト状態となる可能性がある中、CLOにおけるこれら制限が市場全体の回収率低下をもたらすか否かについて疑問が投げかけられています。これに対し、数多くのCLOマネジャーは、新規および既存案件の双方において、より柔軟な契約書の文言を推奨し、最終的な回収率の上昇に資するワークアウトもしくは債務交換に参画できることを求めています。
 

ボラティリティから投資機会へ

同ウイルス第2波および論争中の米大統領選挙による影響が懸念される中、今後ボラティリティは上昇する可能性があります。このような環境下においては、クオリティを向上させること、特に、困難期を上手く乗り切ることが可能と思料される高クオリティ案件への入れ替えは、投資家にとって有益であると思料されます。

低リスクと思料されるAAA格およびAA格トランシェは資本構造最上位に位置するため、引き続き投資妙味が残ると考えます。特にAAA格トランシェにおいては、CLOマネジャー間のスプレッドにおいて大きな格差が生じる場合があります。直近数週間、強固な第2ティアのCLOマネジャーによる新規案件は第1ティアのマネジャーと比較し、流通市場における流動性が十分であるにもかかわらず、魅力的なスプレッドを提供してきたと見ています。

資本構造下位においては、ボラティリティの上昇により生じる投資機会を引き続き追求しています。一般的にベアリングスは、同ウイルス感染拡大の影響を最も受けた業種や企業に関する十分な見識と考察に基づき裏付資産の構築を行う新規案件および流通市場における高クオリティ案件(価格が割安にも関わらず裏付資産における高リスク銘柄へのエクスポージャーが限定的)を選好します。市場の変動性が高まる中、スプレッドが拡大したことから、新規案件のBBB格トランシェは第3四半期末にかけてその魅力度が増加していると見ている一方、新規案件のBB格トランシェは割安であると見ており、選好しています。

また、ボラティリティの上昇は、CLOの価格下落をもたらす、もしくはこれまで度々もたらしてきたことについて注意することが必要です。その間、資本構造上位に位置するトランシェにおいても価格は下落し、ファンダメンタルズを反映した適切な価値に対してはるかに価格が下落した場合もありました。強固な構造的保護と歴史的に低いデフォルト率というCLOの本質を考慮した場合、このようなストレス期は魅力的な投資機会をもたらす可能性があります。ただし、マネジャー選択は重要であり、ベアリングスでは今般の危機におけるCLOマネジャーの行動およびその行動が将来のパフォーマンスに及ぼす結果について評価することに重点を置いています。
 

1. 出所: J.P. Morgan CLOIE Index. 2020年9月末現在

当資料は、ベアリングスLLCが作成した資料をベアリングス・ジャパン株式会社(金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第396号、一般社団法人日本投資顧問業協会会員、一般社団法人投資信託協会会員)が翻訳したもので、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは勧誘または販売を目的としたものではありません。翻訳には正確性を期していますが、必ずしもその完全性を担保するものではなく、 原文と翻訳の間に齟齬がある場合には原文が優先されます。当資料は、信頼できる情報源から得た情報等に基づき作成されていますが、内容の正確性あるいは完全性を保証するものではありません。また、当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれらが変更されたり修正されたりすることがあります。
Complied (東京):2020年10月27日 M20204Q11

X

当社のウェブサイトBarings.comをご利用いただくことにより、(1)当社がお客様のデバイスに特定のクッキーを配置したり、利用規約およびウェブサイトのプライバシーに関する通知に記載されているその他のオンライン追跡メカニズムを使用することができること、(2) お客様が当該利用規約に了承したことにご同意していただけたものと致します。