パブリック債券

バンクローンが良好なパフォーマンスを示すであろう3つの理由

2020年12月 – 6 分 レポートを読む
「金利が上昇する時にはローン(変動金利)を、金利が下落する時は債券(固定金利)を買えばいい」というような単純な話ではありません。事実、複数の要因が組み合わさり、今後バンクローンが魅力的なトータル・リターンを齎すであろう環境は整いつつあります。

新型コロナウイルス発生以降、テクニカル要因によりバンクローンの市場回復は鈍化した一方で、ハイイールド債券を含む固定金利資産に対しては追い風が吹きました。結果、現在のバンクローンは注目に値する相対的かつ絶対的な価値を提供しており、テクニカル要因が改善するにつれ魅力的なトータル・リターンの獲得機会を提供する可能性があるものと考えています。低金利環境が長期化する場合であっても、バンクローンが魅力的な相対価値を提供すると考える理由は以下の3点です。
 

1. バンクローン利回りと債券利回りは同等水準

新型コロナウイルス発生以降、中央銀行は比類なき景気刺激策を実施したことを背景に、特にハイイールド債券は力強い回復を見せました。例えば、米国のハイイールド債券市場は4月以降、600億米ドル超1の資金流入となり、スプレッドは大幅に縮小しています。他方、景気刺激策の恩恵を受けられなかったバンクローンの回復は緩慢となり、金利低下の期待感から変動金利物のバンクローンを売って固定金利物を買う動きとなった過去2年間の流れを引き継いで、リテール・ファンドにおいては概ね資金流出状況が続きました。このため、グローバル・ハイイールド債券は、市場平均価格において1023とオーバー・パーで推移している一方、グローバル・バンクローンは、市場平均価格において約952と未だディスカウントにて取引されています。テクニカル要因および市場センチメントに起因したバンクローンから債券への投資シフトにより、米国の短期金利が低下しているにもかかわらず、バンクローンとハイイールド債券の利回りは依然として同等の水準にあります。

1. 出所: J.P. Morgan 2020年11月末現在
2. 出所: Credit Suisse 2020年11月末現在
3. 出所Source: Bank of America Merrill Lynch 2020年11月末現在

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Chris Sawyer(クリス・ソイヤー)

欧州ハイイールド責任者

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